鉄吸収促進する物質(因子)
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動物性食品の方が吸収率がいい
鉄はもともと体内では吸収されにくい成分で、特に植物性食品に含まれる非ヘム鉄と呼ばれる成分ではその特徴が顕著です。鉄には動物性食品に含まれるヘム鉄と、植物性食品に含まれる非ヘム鉄の2種類があり、それぞれに吸収率が15~25%、2~5%と大きな開きがあります。開きの理由はヘム鉄が小腸でそのまま吸収されるのに対して、非ヘム鉄はまず胃で水に溶けやすい形に変えられ、さらに小腸では吸収されやすい形に変えられといった段階を経るため吸収率にこのような差が出てしまうのです。またヘム鉄には吸収を妨げるほかの物質の影響を受けにくいという特徴もあります。
ビタミンC、たんぱく質を一緒に摂取
ビタミンCはヘム鉄、非ヘム鉄の両方に作用して、吸収されやすい形へと変化させます。ビタミンCの多い果物などと一緒に取るといいです。また非ヘム鉄は動物性たんぱく質と一緒に取ることで吸収率がぐんとよくなります。
クエン酸やリンゴ酸と一緒に摂取
クエン酸やリンゴ酸に代表される果実酸には、ミネラルを包み込んで吸収しやすい状態へと変化させるキレート作用という働きがあるため一緒にとると効果的です。果実酸は果物や野菜、穀物などに多く含まれます。
非ヘム鉄はヘム鉄と一緒に摂取
吸収率の低い非ヘム鉄ですが、ヘム鉄と一緒に摂取することで吸収率がUPします。料理なら肉と野菜を一緒に調理、摂取するといいです。
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鉄吸収阻害する物質(因子)
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タンニンとの併用は避ける
お茶やコーヒーなどに含まれるタンニンには、鉄と結びついて吸収率を下げる働きがあります。鉄と結びついたタンニンはタンニン鉄となり、水に溶けにくくなるので、腸での吸収が妨げられ、その結果鉄吸収率も低下してしまうというわけです。ただし従来は鉄欠乏患者に鉄分サプリなどの摂取において、お茶などの同時摂取を控えるよう言われてきましたが、タンニンと結合して鉄分の吸収率が低下しても、影響を受けない鉄分の量の方が多いため、不足を補うという点では同時に摂取してもそれほど心配するほどの影響はないそうです。
シュウ酸との併用には注意
ほうれん草などに含まれるアクの成分シュウ酸は、鉄の吸収を妨げるので、しっかりとあく抜きしてください。
フィチン酸との併用には注意
穀類や豆類などに含まれるフィチン酸は、鉄分やカルシウムと結びつくことで不溶性の成分へと変化するため、腸での吸収が妨げられます。
食物繊維のとりすぎ
食物繊維も鉄やカルシウムなどを吸着して、腸での吸収を妨げる働きがあるのでとりすぎには注意が必要です。
その他の要因
炭酸飲料やビールなどに含まれる炭酸、それからリンも、同時に摂取すると鉄の吸収率が下がりますが、通常ならそれほど気にするレベルでもありません。
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鉄に関する情報
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