マグネシウムの栄養と健康
マグネシウムの栄養と働き
マグネシウムの大部分は、リン酸マグネシウムの形で骨や歯の成分として存在します。その量は全体で30g程度の微量です。また、ごく微量ながら筋肉、脳、神経にも存在していします。細胞内のマグネシウムが不足すると骨組織から放出されます。 マグネシウムが骨から放出されるとき、その5倍量のカルシウムも一緒に放出されます。細胞のイオン開口部から余分なカルシウムが細胞内に侵入すると、血管の筋肉などを収縮させ高血圧の原因ともなります。マグネシウムの投与で高血圧、動脈硬化、糖尿病などの予防になります。
マグネシウムは調子を整えたり骨を作るのに重要な栄養
マぎネシウムは、①あらゆる酵素の反応に関与している。②エネルギーの賛成に関与。③Na、K、Caなどの濃度勾配に関与。④タンパク質の合成に中心的な役割を果たしている、リボソームを凝集する働きがある。また、MgはmRNAをリボソームに付着させDNAの合成にも関与している。⑤MgはCaと1:1の割合で捕ると虚血性心疾患などの心疾患を予防する働きがある。(これは、Mgがイオン輸送機構に作用してCaの流入を抑制し、血管の攣縮を防ぐと考えられている)⑥糖尿病が何種類かのミネラルの不足で起こると考えられているが、現在では糖尿病で、確実に不足する成分としてMg、Znが判明している。
マグネシウムの栄養所要量マグネシウムは、長期にわたって摂取量が不足すると、骨粗しょう症、心疾患、糖尿病といった生活習慣病のリスクが高まる可能性が示されています。国民健康・栄養調査結果によると現在の日本人は、中学生くらいまでは必要な量(推定平均必要量)を摂取できていますが、高校生以上の働きざかりの年代では少ないため、主食や野菜をきちんととって摂取量を増やすことが望まれます。 一方、マグネシウムは通常の食品からはとり過ぎる心配は少ないのですが、健康食品やサプリメントなどからとり過ぎた場合には下痢になる可能性があるため、適切な利用方法をこころがけましょう。
マグネシウムの栄養所要量は以下の通り
|
マグネシウムの推奨量 |
成人男性 |
340mg |
成人女性 |
270mg |
妊婦 |
+40mg |
授乳婦 |
特に付加する必要はありません |
マグネシウムの詳しい栄養所要量についてはここを参照
マグネシウムの欠乏症と過剰症
私たち日本人が通常の食生活では、マグネシウムの過剰症が問題となることはあまりありませんが、強い偏食や乱れた食生活によって起こる場合もあります。また逆に欠乏症も偏食などにより起こる場合がありバランスのよい食生活をする事をおすすめします。
マグネシウムには、過剰症状と欠乏症があります。
項 目 |
具体的な症状 |
マグネシウム
過剰症 |
マグネシウムの過剰症は食事だけでは起きにくい。胃薬の投薬による下痢の出現頻度が高い。また、高マグネシウム血症は腎機能低下により排せつ機能が低下し起こりやすくなる。血漿中マグネシウム濃度上昇により、反射低下、筋脱力、運動失調、こん睡、精神変化、錯乱、悪心および嘔吐、顔面潮紅、除脈、低血圧、心電図異常、呼吸抑制、呼吸停止などである。
(マグネシウム過剰症の詳しい情報) |
マグネシウム
欠乏症 |
発育不全、筋肉のふるえ、筋力の低下やけいれんによる運動障害、めまい、ひきつけ、嚥下障害などをへて全身性の痙攣へとすすみ、合わせて神経症状もあらわれ感情の鈍麻、あるいは極度の過敏症、抑鬱、不安神経症、精神錯乱まで進む。中には皮膚の黒ずみ、食欲不振、睡眠障害の様な症状もある。さらに、腎不全、腎結石、狭心症、不整脈、心筋梗塞、高血圧、糖尿病などの報告もある。
(マグネシウム欠乏症の詳しい情報) |
【備考】
|
マグネシウムが多く含まれている食品
マグネシウムは、アーモンドをはじめとする種実類、魚介類、海草類、野菜類、豆類などに多く含まれています。私たち日本人は歴史的にマグネシウムの多く含まれている未精白の穀物や植物性食品を摂取してきた民族といわれ、現在も穀物から最も高い割合でマグネシウムを摂取しています。
マグネシウムが多く含まれている食品(単位:mg)
国産小麦 |
80 |
納豆 |
100 |
玄米 |
110 |
木綿豆腐 |
31 |
精白米 |
23 |
のり |
340 |
豆麹味噌 |
130 |
干しヒジキ |
540 |
アーモンド |
310 |
干し昆布 |
510 |
カシューナッツ |
240 |
干しわかめ |
1100 |
国産大豆 |
220 |
あさり |
100 |
落花生 |
170 |
カキ |
74 |
インゲン豆 |
150 |
ホウレンソウ |
69 |
枝豆 |
62 |
純ココア |
430 |
(マグネシウムが多く含まれている食品リスト)
マグネシウムの吸収促進・吸収阻害する因子
詳しくはここをクリックして参照してください。
マグネシウムに関する情報
マグネシウムに関する詳しい情報
マグネシウムの栄養所要量
マグネシウムの吸収を促進阻害する因子
マグネシウムの過剰症
マグネシウムの欠乏症
マグネシウムについて詳しい情報はこちらを参照 |
|
|