モリブデンの栄養について
モリブデンは輝水鉛鉱という鉱石から発見された金属で、硫黄と結合しやすく、地球上の窒素サイクルや硫黄サイクルに大きくかかわっています (3) 。人の体内では、酸化還元反応を触媒するモリブデン酵素の構成成分としてはたらき、食品では穀類、豆類、種実類に豊富に含まれます
(6) 。モリブデンは通常の食事で充分に摂取することができ、また、他の重金属に比べて比較的毒性が低いため、過剰症が問題となることはほとんどありません
モリブデンの化学的特性
モリブデンは、元素記号Mo、原子番号42、原子量95.94の銀白色の金属です。熱濃硫酸には溶けますが、水、塩酸、希硫酸には溶けません。
モリブデンの吸収や働き
モリブデンは胃や小腸で容易に吸収されます。モリブデンの栄養状態は、硫黄-銅の相互作用によって大きく変化するといわれており、食品に含まれるモリブデンの平均的な生物学的有効性は、現時点では約75%と見積もられています。生体内ではモリブデンは肝臓と腎臓に多く存在し、キサンチンオキシダーゼ、アルデヒドオキシダーゼ、亜硫酸オキシダーゼの構成成分となっています。
モリブデンの栄養の働き
モリブデンは、核酸と含硫アミノ酸の代謝に必要なミネラルです。欠乏すると、頻脈、頭痛などの症状が現れると報告されています。モリブデンは銅とのバランスが大切です。糖質や脂質の代謝を助け、貧血を予防するとされています。
モリブデンの栄養所要量
モリブデンの所要量は以下の通りです
現在、国民健康・栄養調査の調査項目に入ってないため、データがありません 。
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モリブデンの推奨量 |
成人男性 |
25μg |
成人女性 |
25μg |
妊婦 |
特に付加する必要はありません |
授乳婦 |
+3μg |
モリブデンの詳しい栄養所要量についてはここを参照
モリブデンの栄養による欠乏症と過剰症
モリブデンは通常の食事から充分摂取することが出来るので、不足することはほとんどありません。長期間の完全静脈栄養施行により、頻脈、多呼吸、夜盲症などを引き起こすことがありますが、モリブデンの投与により症状は改善されます。
モリブデン不足はどのようにしておこるか?
モリブデンは通常の食事から充分摂取することが出来るので、不足することはほとんどありません。
モリブデン不足になるとどうなるか?
長期間の完全静脈栄養施行により、頻脈、多呼吸、夜盲症などを引き起こすことがありますが、モリブデンの投与により症状は改善されます。
モリブデン過剰摂取のリスク
モリブデンは過剰に摂取しても速やかに排泄されるため、健康な人では通常の食生活で過剰症が問題となることは、ほとんどありません。モリブデンの急性中毒では、下痢を伴う胃腸障害を起こし、昏睡状態・心不全により死に至るとされています
。慢性中毒では、関節の痛みや高尿酸血症など、痛風の様な症状が起こることがあります。
モリブデンには、過剰症状と欠乏症があります。
項 目 |
モリブデンにおける具体的な症状 |
モリブデン
過剰症 |
大量に摂取すると、痛風に似た、尿酸の高血中レベルや関節痛の症状を呈することがある。また、動物にMoを過剰に投与するとCuの欠乏症が起こり、拮抗関係にあることが分かっている。
(モリブデン過剰症の詳しい情報)
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欠乏症 |
健康な成人には食事からの欠乏症は報告されていない。しかし、Moが欠乏したとき、クローン病などの特殊な体調では欠乏症が起こる。 症状は、心拍数の上昇、息切れ、悪心、嘔吐、方向感覚の喪失などがあり、最終的にはこん睡が起こる。
(モリブデン欠乏症の詳しい情報)
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【備考】
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モリブデンの栄養が多く含まれている食品
モリブデンが多く含まれている食品について(単位:μg)
豆類には特に多く含まれ、穀物やナッツ類にも含まれるが、食肉や果実、野菜には少量しか含まれない。
(モリブデンが多く含まれている食品リスト)
モリブデンの吸収促進・吸収阻害する因子
詳しくはここをクリックして参照してください。
モリブデンに関する情報
モリブデンに関する詳しい情報
モリブデンの栄養所要量
モリブデンの吸収を促進阻害する因子
モリブデンの過剰症
モリブデンの欠乏症
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