マグネシウムの栄養について
マグネシウムは、古代ギリシアのマグネシアという地域で採れ、白マグネシウムと呼ばれていた物質に含まれていたことから、マグネシウムと名付けられました
。マグネシウムは、ほとんど全ての生合成反応や代謝反応に必須のミネラルです。また、カルシウムと密接に関与し、骨の健康を維持する働きもあります 。マグネシウムは全ての細胞や骨に広く分布するため、精製・加工していない食品に万遍なく存在しています。通常の食事をしている健康な人では不足することはほとんどありません。医薬品やサプリメントなどとして多量に摂取した場合、過剰摂取による下痢などの消化器症状が起こる可能性があります
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マグネシウムの化学的な特性
マグネシウムは元素記号Mg、原子番号12、原子量24.31の金属です。いろいろな化学形態があり、多くの塩は水に溶けやすく、酸化物、水酸化物、フッ化物、炭酸塩、リン酸塩などは水に溶けにくい性質を持ちます。また、植物中ではクロロフィルの中心金属イオンとして存在しています。
マグネシウムの吸収や働き
食品から摂取したマグネシウムは、20~70%程度が小腸で吸収され、全身の組織に運ばれて利用されるといわれています。腸管からの吸収率は、摂取量が多ければ低下し、少なければ高くなりますが、吸収や代謝の全貌については明らかにされていません。マグネシウムは300種類以上の酵素反応に、補酵素として働いています。したがって、ほとんど全ての生合成反応や代謝反応に必要となります。また、骨の弾性維持、神経伝達、体液の平行維持、ホルモン分泌とその活性発現、筋収縮など、多くの生命現象の場で機能しています。
マグネシウムの栄養の働き
マグネシウムの大部分は、リン酸マグネシウムの形で骨や歯の成分として存在します。その量は全体で30g程度の微量です。また、ごく微量ながら筋肉、脳、神経にも存在していします。細胞内のマグネシウムが不足すると骨組織から放出されます。 マグネシウムが骨から放出されるとき、その5倍量のカルシウムも一緒に放出されます。細胞のイオン開口部から余分なカルシウムが細胞内に侵入すると、血管の筋肉などを収縮させ高血圧の原因ともなります。マグネシウムの投与で高血圧、動脈硬化、糖尿病などの予防になります。
マグネシウムの主な働きは以下の通り
①あらゆる酵素の反応に関与している。②エネルギーの賛成に関与。③Na、K、Caなどの濃度勾配に関与。④タンパク質の合成に中心的な役割を果たしている、リボソームを凝集する働きがある。また、MgはmRNAをリボソームに付着させDNAの合成にも関与している。⑤MgはCaと1:1の割合で捕ると虚血性心疾患などの心疾患を予防する働きがある。(これは、Mgがイオン輸送機構に作用してCaの流入を抑制し、血管の攣縮を防ぐと考えられている)⑥糖尿病が何種類かのミネラルの不足で起こると考えられているが、現在では糖尿病で、確実に不足する成分としてMg、Znが判明している。
マグネシウムの栄養所要量
生体内のマグネシウムは5%が骨に、40%が筋肉および軟組織に、1%が細胞外液に存在します。血清中のマグネシウム濃度は1.8~2.4 mg/dL
(0.74~0.99 mmol/L) 程度に保たれているため、マグネシウム量が減少すると、骨に貯蔵されたマグネシウムが遊離し、利用されます。食品から摂取したマグネシウムは、20~70%程度が小腸で吸収され、全身の組織に運ばれて利用されるといわれています。腸管からの吸収率は、摂取量が多ければ低下し、少なければ高くなりますが、吸収や代謝の全貌については明らかにされていません。マグネシウムは300種類以上の酵素反応に、補酵素として働いています。したがって、ほとんど全ての生合成反応や代謝反応に必要となります。また、骨の弾性維持、神経伝達、体液の平行維持、ホルモン分泌とその活性発現、筋収縮など、多くの生命現象の場で機能しています。
マグネシウムの栄養所要量は以下の通り
国民健康・栄養調査結果によると現在の日本人は、中学生くらいまでは必要な量(推定平均必要量)を摂取できていますが、高校生以上の働きざかりの年代では少ないため、主食や野菜をきちんととって摂取量を増やすことが望まれます。 一方、マグネシウムは通常の食品からはとり過ぎる心配は少ないのですが、健康食品やサプリメントなどからとり過ぎた場合には下痢になる可能性があるため、適切な利用方法をこころがけましょう。
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推奨量 |
成人男性 |
340mg |
成人女性 |
270mg |
妊婦 |
+40mg |
授乳婦 |
特に付加する必要はありません |
マグネシウムの詳しい栄養所要量についてはここを参照
我が国におけるマグネシウム栄養摂取状況
平成21年の国民健康・栄養調査で男性は平均254 mg、女性は平均227 mg摂取しています。
マグネシウムの栄養による欠乏症と過剰症
マグネシウムは、長期にわたって摂取量が不足すると、骨粗しょう症、心疾患、糖尿病といった生活習慣病のリスクが高まる可能性が示されています。国民健康・栄養調査結果によると現在の日本人は、中学生くらいまでは必要な量(推定平均必要量)を摂取できていますが、高校生以上の働きざかりの年代では少ないため、主食や野菜をきちんととって摂取量を増やすことが望まれます。一方、マグネシウムは通常の食品からはとり過ぎる心配は少ないのですが、健康食品やサプリメントなどからとり過ぎた場合には下痢になる可能性があるため、適切な利用方法をこころがけましょう。
マグネシウムには、過剰症状と欠乏症があります。
項 目 |
マグネシウムにおける具体的な症状 |
マグネシウム
過剰症 |
Mgの過剰症は食事だけでは起きにくい。胃薬の投薬による下痢の出現頻度が高い。また、高Mg血症は腎機能低下により排せつ機能が低下し起こりやすくなる。血漿中Mg濃度上昇により、反射低下、筋脱力、運動失調、こん睡、精神変化、錯乱、悪心および嘔吐、顔面潮紅、除脈、低血圧、心電図異常、呼吸抑制、呼吸停止などである。
(カルシウム過剰症の詳しい情報) |
マグネシウム
欠乏症 |
発育不全、筋肉のふるえ、筋力の低下やけいれんによる運動障害、めまい、ひきつけ、嚥下障害などをへて全身性の痙攣へとすすみ、合わせて神経症状もあらわれ感情の鈍麻、あるいは極度の過敏症、抑鬱、不安神経症、精神錯乱まで進む。中には皮膚の黒ずみ、食欲不振、睡眠障害の様な症状もある。さらに、腎不全、腎結石、狭心症、不整脈、心筋梗塞、高血圧、糖尿病などの報告もある。
(カルシウム欠乏症の詳しい情報) |
【備考】
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マグネシウムの栄養が多く含まれている食品
アーモンドをはじめとする種実類、魚介類、海草類、野菜類、豆類などに多く含まれています。私たち日本人は歴史的にマグネシウムの多く含まれている未精白の穀物や植物性食品を摂取してきた民族といわれ、現在も穀物から最も高い割合でマグネシウムを摂取しています。
マグネシウムが多く含まれている食品(100g当量,単位:mg)
国産小麦 |
80 |
納豆 |
100 |
玄米 |
110 |
木綿豆腐 |
31 |
精白米 |
23 |
のり |
340 |
豆麹味噌 |
130 |
干しヒジキ |
540 |
アーモンド |
310 |
干し昆布 |
510 |
カシューナッツ |
240 |
干しわかめ |
1100 |
国産大豆 |
220 |
あさり |
100 |
落花生 |
170 |
カキ |
74 |
インゲン豆 |
150 |
ホウレンソウ |
69 |
枝豆 |
62 |
純ココア |
430 |
(マグネシウムが多く含まれている食品リスト)
マグネシウムの吸収促進・吸収阻害する因子
詳しくはここをクリックして参照してください。
マグネシウムに関する情報
マグネシウムに関する詳しい情報
マグネシウムの栄養所要量
マグネシウムの吸収を促進阻害する因子
マグネシウムの過剰症
マグネシウムの欠乏症
マグネシウムについて詳しい情報はこちらを参照 |
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