カルシウムの吸収を促進する物質(因子)
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ビタミンCやビタミンDと一緒に摂取するとカルシウム吸収促進
ビタミンDは腸でのカルシウムの吸収を促進し、また骨への沈着を助ける働きもあるので、いっしょに取ると効果的です。またビタミンCも、骨や筋肉の結合にかかせないコラーゲンの生成に必要な成分ですので、あわせて取ることで骨の生成が助けられます。
マグネシウムも一緒に摂取する事が大切
マグネシウムは骨の骨芽細胞に働きかけて、骨の中に入るカルシウムの量を調節しています。もしマグネシウムが不足してしまうと、骨に十分なカルシウムが行き渡らなくなってしまいます。またマグネシウムが不足した場合、補うために骨や歯の貯蔵分から放出されるわけですが、いっしょにマグネシウムの3~5倍のカルシウムも放出されます。このような理由からスカスカのもろい骨ができてしまい、骨粗鬆症といった病気になってしまいます。カルシウム不足だけに注意するのではなくマグネシウムの摂取にも気を配ることが大切です。カルシウムとマグネシウムのバランスは2:1もしくは3:1が理想的です。
その他カルシウム吸収に左右する栄養素
他には乳糖(牛乳に含まれる糖分)、カゼイン(牛乳に含まれるたんぱく質)、リジン(たんぱく質を構成しているアミノ酸の一種)、アルギニン(アミノ酸の一種)、クエン酸も、カルシウムの吸収を高めるのに効果的だといわれています。牛乳が他の食品に比べてカルシウムの吸収率がいいのはこのような栄養素の作用も一因となっているからです。
適度な運動もカルシウム吸収促進効果があり
運動などで骨に力が加わると、骨を頑丈にするべく、骨を作る細胞の活動が活発になります。そうすると必要となるカルシウムの量も増え、カルシウムの吸収率、体内にあるカルシウム総量が増加します。適度な運動は骨を丈夫にするだけでなく、カルシウムの吸収率UPにも効果的です。
料理にはお酢を使う事でカルシウムを吸収しやすく
お酢の働きで胃液の分泌が促され、カルシウムが溶け出しやすい形になります。
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カルシウムの吸収を阻害する物質(因子)
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ナトリウムとリンの取りすぎ事でマイナス効果
ナトリウムとリンの過剰摂取はカルシウムの吸収を妨げてしまうので注意が必要です。塩分の多い食生活をしていると、ナトリウムの働きにより、カルシウムの尿への流出が促されて、過剰に体外に排出されてしまいます。また加工食品やスナック菓子などに多く含まれるリンの取りすぎは、小腸でのカルシウムの吸収を妨げてしまいます。リンはカルシウムとのバランスが大事で、1:2~2:1の割合がもっとも吸収のよくなるバランスです。その範囲を越えてリンを取りすぎるとカルシウムの吸収が悪くなります。
たんぱく質の取りすぎずバランスよく
たんぱく質が適度な量ならカルシウムの吸収量は促進されます。取りすぎると尿に排出されるカルシウム量が増えます。適量は成人男子70kgで1日で140g以上取るととりすぎだといわれています。
食物繊維のとりすぎはカルシウムの吸収を阻害
食物繊維の中にはカルシウムの吸収を妨げてしまう物もあります。食物繊維にはカルシウムをはじめとしたミネラルを吸着してしまう性質があるので、小腸からの吸収が妨げられてしまうのです。特にその作用が強いものとして穀類や藻類の食物繊維などが上げられます。
カルシウムとシュウ酸との結合で吸収阻害
ほうれん草をはじめとした緑黄色野菜に含まれるシュウ酸とカルシウムは、結合してシュウ酸カルシウムという状態にあり、これは吸収率、分解率ともによくありません。
脂肪によるカルシウムの吸収への影響
吸収されなかった脂肪はカルシウムと結びついて、水にとけにくい物質になり、吸収も悪くなって便中に排出されてしまいます。脂肪の摂取も通常量なら問題ありませんが、過剰に摂取して吸収しきれない脂肪が多くなったり、胆のうや脾臓の病気で脂肪の吸収率自体が低下している場合などに影響がでてきます。
アルコールの取りすぎはカルシウムの吸収阻害
過度のアルコール摂取は腸の粘膜を荒らしてしまうので、カルシウムの吸収が低下してしまいます。さらにせっかく摂取したカルシウムもアルコールの利尿作用で、尿からの排出量が増加してしまいます。
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カルシウムに関する情報
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