ナトリウム・食塩の栄養について
ナトリウム・食塩の栄養の働き
ナトリウムは人の必須ミネラルの一つです。人体には体液中にナトリウム塩として存在しており、血液中の濃度が濃くなるとそれを薄めるために水分を血液中に引き入れるため血液量が増え血圧が上がる。また、末梢血管を収縮する作用ももつため、血圧が上がり心臓への負担となる。ナトリウムが不足すると、浸透圧が下がり、体液の水分が細胞に移り浮腫の原因となる。この濃度の調整は腎臓で行われ、常に0.9%に保たれている。また、カリウムとナトリウムは一定の濃度に保たれるようになっており、ナトリウムの取りすぎにより、高血圧が発生している場合は、カリウムが多く含まれている海藻などを取ると血圧が安定しやすくなる。
ナトリウム・食塩の働き
ナトリウム・食塩の働きには次のものがあります。①神経の刺激を感じてスムーズに伝達する。 ②筋肉の弾性を維持する。 ③消化液や分泌液に対して、pH調整機能を発揮する。 ④浸透圧や生体機能を調整する。
ナトリウム・食塩の栄養所要量
ナトリウムは食品としては食塩として摂取する事が多いです。食塩は、広く自然界の食べ物のほとんどに含まれていますから、日本国内で普通の生活では不足する心配は必要ありません。ただし、スポーツなどをして大量の汗をかいたり、おう吐や下痢をしている場合には、たくさんのナトリウムが失われてしまうので適切に補給することが必要になります。 食塩の過剰摂取は、様々な病気を誘発させる事がわかっています。その為、厚生労働省は1日あたりの摂取量を抑える様に栄養所要量では定めております。
ナトリウムの栄養所要量
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ナトリウムの推奨量 |
成人男性 |
600mg |
成人女性 |
600mg |
妊婦 |
特に付加する必要はありません |
授乳婦 |
特に付加する必要はありません |
ナトリウムの詳しい栄養所要量についてはここを参照
ナトリウム量と食塩量の関係
食塩は、ナトリウムと塩素が結合してできております。その結合する比率は必ず一定で、ナトリウムもしくは塩素量がわかる事で食塩の量を計算する事ができます。栄養成分等の表示にある食塩相当量とは、次の計算式で、食品に含まれているナトリウム量を食塩の量に換算した値です
ナトリウム(mg)×2.54÷1,000=食塩相当量(g)
ナトリウム・食塩の栄養による欠乏症と過剰症
食塩をとり過ぎる食生活では、高血圧や胃がんなどの様々な生活習慣病をまねくおそれがあります。私たちはもっと「うす味」の食生活に切り替えて、食塩を減らしていく必要があります。まずは、かけしょう油やかけソースなどの量を控えること、めん類の汁を飲み干さないことなど、できることからはじめましょう。
ナトリウム・食塩の過剰症状と欠乏症
項 目 |
ナトリウムにおける具体的な症状 |
ナトリウム
(食塩)
過剰症 |
ナトリウム毒性が発現する場合、体液維持機能を持つ腎からの排せつ機能低下によるものが大きい。そのため、腎機能は高齢になるに従って低下する傾向にあるため、血圧が上昇傾向になる。ナトリウム起因性の高血圧は多数存在するが、食塩摂取量制限を行ったことによる血圧低下効果には個人差的影響が大きい。摂取過剰による、胃がん、食道がんの発症率の上昇は医学的に証明されている。
(ナトリウム過剰症の詳しい情報) |
ナトリウム
(食塩)
欠乏症 |
通常、ナトリウムが欠乏することはないが、急性の下痢やおう吐などから低Na血症を招き、錯乱、こん睡、痙攣などを引き起こすことがある。軽度の欠乏症においては、はき気、脱力感、筋肉のけいれんを起こす
(ナトリウム欠乏症の詳しい情報) |
【備考】
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ナトリウム・食塩が多く含まれている食品
多くの食品に含まれている栄養素です。
ナトリウム・食塩が多く含まれている食品(単位mg)
「加工品」
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食塩 |
39000 |
調味料 |
1000~7000 |
海藻類 |
1000~7000 |
ハム |
1000 |
中華めん |
2500 |
塩辛、佃煮、干しもの |
1000~7000 |
漬物、梅干し |
1000~5000 |
納豆、味噌 |
1000~5000 |
チーズ |
500~1000 |
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「生モノ」
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魚介類 |
30~300 |
肉類 |
30~100 |
乳類 |
10~100 |
野菜 |
1~50 |
果物 |
1~50 |
キノコ |
1~50 |
(ナトリウムが多く含まれている食品リスト)
ナトリウムの吸収促進・吸収阻害する因子
詳しくはここをクリックして参照してください。
ナトリウムに関する情報
ナトリウムに関する詳しい情報
ナトリウムの栄養所要量
ナトリウムの吸収を促進阻害する因子
ナトリウムの過剰症
ナトリウムの欠乏症
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